昨今、ロードバイクは様々なニーズに応えるべく進化し、ひとくくりにはできないほどバラエティーに富んだラインナップがあります。
主にレースの世界で活躍するのが以下の4種類でしょうか。
- オールラウンド
山道の上りも下りも平坦な道も速く走れるその名の通りオールラウンドなロードバイク - エアロ
とにかく直線のスピード勝負!車体の軽量化や空気抵抗の軽減を極限まで施した最速のロードバイク - エンデュランス(ロングライド)
耐久レースなど長距離・長時間の走行に向いているロードバイク - シクロクロス
悪路でも高速で走行することができるMTB寄りのロードバイク
最近ではよりカジュアル且つ快適にロードを乗りたい方のための以下のようなジャンルも登場しています。
- グラベル
オンロードもオフロードも快適に走ることができるロードバイク
太めのタイヤと雨天でも安心なディスクブレーキが搭載されているのが一般的 - e-ロードバイク
電動アシストが付いたロードバイク
ジオメトリーや搭載パーツなどはグラベルやエンデュランスに近く、街乗りやロングライドに向いている
最後のe-ロードバイクですが、「軽さが売りのロードにバッテリー積んで重くしてどうすんの?」とか「スポーツ車にエンジン積むのは邪道」とマイナスなイメージを持っていました。
しかし、そんなe-ロードバイクに試乗する機会があり、このイメージが一変…
こんな快適な自転車、乗ったことない!
ということで、今回は試乗したe-ロードバイク2車種。
「YAMAHA YPJ-ER」と「BESV JR1」の試乗レポートをさせていただきます。
e-BIKEの魅力が少しでも伝われば幸いです。
YAMAHA YPJ-ER 試乗インプレッション
YAMAHAのe-ロードバイクは本記事掲載時点で2種類のラインナップ。
e-ロードバイクのパイオニアともいえる「YPJ-R」はコンパクトなバッテリーを積んだ街乗りe-ロードといった印象。
今回、試乗させていただいたのは後発の「YPJ-ER」というモデルで、大容量のバッテリーを積んだロングライドに特化した製品です。
特徴
油圧式のディスクブレーキや35Cの太いタイヤ、上体に余裕が生まれるアップライトポジションが取れるフレームが採用されていることから、完全に流行のグラベルロードを意識した製品であると言えます。
コンポーネントは操作性の良いSHIMANO Tiagraを採用。
フロント2枚、リア10枚の20段変速です。
フレーム・フォーク共に素材はアルミ。
タイヤの径が太いため、振動は少なめです。
重量は一番大きなLサイズで19.8kg。
日本のe-BIKEは時速24km以上の速度で電動アシストを停止するため、時速24km以上のスピードを出すと19.8kgのノンアシストロードバイクと化します。
高速性を求めるのならちょっと重いかもしれません。
電動アシストの走行モードは5種類。
消費電力を抑えたプラスエコモードを使用することで、最大242kmも電動アシスト走行をすることが可能です。
インプレッション
白黒液晶のパネルが搭載されており、これで走行モードなどを切り替えます。
とりあえず走行モードは緩やかな坂や平坦な道に最適なスタンダード(STD表示)で様子見です。
このパネルは速度やケイデンス表示などサイコン(サイクルコンピュータ)のような機能も兼ねています。
形状からして衝撃に強そうなイメージ。
パネル下部にはUSB端子があり、スマホなど対応機器の充電が可能です。
ライトが標準で装備されています。もちろんバッテリー直結!
バッテリーが搭載されていることを最大限に活かしている印象です。
ケーブル類はフレーム内装でスッキリしていますが、バッテリーはフレームとは独立したデザイン。
しかも大容量バッテリーなので、結構大きく感じました。
エンジン積んでます感が強い(汗)
トレッドパターン(溝)が刻まれた35Cの太いタイヤ。
この車種のポイントはここです!
太いタイヤは路面との接地面積が広く、グリップ力や安定性が向上する代わりに抵抗が大きくなります。
また、重量も重くなるので、気持ちよく転がってくれません。
しかし、こいつはe-ロードバイクです。
太いタイヤのデメリットを電動アシストでカバーしてくれるというわけです。
実際に35Cのタイヤとは思えないくらいの漕ぎ出しのスムーズさと気持ちよい加速を感じることができました。
試乗後、YAMAHAの担当さんに色々とお話を伺ったのですが、このYPJ-ERに搭載されているドライブユニット「PWseries SE」はギアの段数によりアシスト力を調整するそうです。
e-BIKEはドライブユニットによりけりですが、不自然なアシストにぞわっとさせられることがあります。
YPJ-ERはアシストされていることをさほど感じなく、極端に軽いロードに乗っているような感覚でした。
なお、他社のドライブユニットにはないYAMAHA独自の技術なのですが、カタログには載せられない大人の事情があるそうです。
なんでだろう?(笑)
こんな方におすすめ
YPJ-ERはこんな方におすすめです。
- 超ロングライドを計画されている方
- オフロードもオンロードも走行する方
- スピードよりも安定性を求める方
サイズはS(154cm以上)、M(165cm以上)、L(170cm以上)の3種類で、カラーはマットブラックのみ。
メーカー希望小売価格は345,600円(税込)です。
ネット通販ですと、かなり安く購入できます。
本記事掲載時点で楽天の自転車Dプラスというショップが最安です。
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なお、YAMAHAからキャリアとフェンダーも発売されています。
LEDテールライト付きです。
グラベルするなら欲しいオプションですね!
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BESV JR1 試乗インプレッション
BESVのe-ロードバイクは1種類のみ。
このJR1はBESVのベストセラー製品で、e-BIKE市場を賑わせた名機「PSA1」を生んだBESVならではの洗練されたデザインが印象的です。
もちろんデザインだけではありません。
乗り心地も良好でした。
特徴
コンポーネントはYPJ-ERのTiagraよりも上位モデルとなるSHIMANO 105を採用。
フロント2枚、リア11枚の22段変速です。
油圧式のディスクブレーキももちろん105。
このブレーキ、軽い力で良く効きます。
フレーム・フォーク共に素材はアルミ。
舗装された路面を走る分には振動はさほど感じません。
タイヤは25Cで、重量は一番大きなMサイズで16kg。
時速24km以上でノンアシストになってもちゃんと走るe-BIKEとしてはかなり軽量な車体です。
電動アシストの走行モードは3種類。
消費電力を抑えたMode1を使用することで、最大138kmの電動アシスト走行が可能です。
インプレッション
パネルはカラー且つグラフィカルで見やすく、YPJ-ER同様、サイコンとしての機能も備えています。
ブラケットの下に装着されているデュアルアシストコントロールスイッチにより、ハンドルを握ったままモード変更などの操作が可能。
運転しながらのパネル操作は危険なので、このスイッチはかなり重宝します。
ケーブルはフレーム内装。
バッテリーもフレームと一体化したデザイン。
e-BIKEだということを感じさせないくらいにすっきりしており、とてもスタイリッシュです。
トップチューブのボタンは電源スイッチです。
ボタンの光は現在の走行モードを表しています。
タイヤが細いことも影響していると思いますが、加速力はYPJ-ERよりも上。
特に漕ぎ出し時はちょっと踏んだだけでぐいっと走ります。
軽量且つレーシーなスタイルのJR1は公道のファンライドやロングライド向き。
向かい風でもすいすい走るアシスト力には驚かされました。
なお、BESVさんは気合が入っており、今回の試乗会ではほぼすべての車種が揃っていました。
注目はこいつです。
MTBタイプのe-BIKE「TRS1」の後継車種となる「TRS2」です。
試乗会実施時点で未発売。
存在感ありすぎなダイナマイトボディが特徴です。
公道で走るのはちょっと恥ずかしいなと思い、試乗は遠慮させていただきました。
山に入るならこいつですね!
以上、余談でした(笑)
こんな方におすすめ
JR1はこんな方におすすめです。
- ファンライドやロングライドを計画されている方
- オンロードをメインで走行する方
- スピードを出したいが脚力に自信のない方(特に女性におすすめ)
サイズはXS(161cm以上)、M(170cm以上)の2種類。
カラーもマットブラックとマットホワイトの2種類から選択できます。
メーカー希望小売価格は298,080円(税込)です。
ネット通販でも購入が可能です。
本記事掲載時点で各ショップ定価での販売になりますが、楽天で購入すればかなりのポイントが付きます。
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まとめ
試乗してみてe-ロードバイクに対するイメージがガラッと変わりました。
いくら漕いでも疲れない。
そんな強気な発言をしてしまうほど、軽い自転車です(笑)
ファンライドやロングライドをより楽しいものにしてくれる。
エンデュランスロードやグラベルロードとはまた一味違う乗り物だとお考え下さい。
今回、レポートさせていただいた2車種。
それぞれ異なる性格の自転車なので、どちらがおすすめというのはありません。
わたしはグラベルしたいのでYAMAHAが気になっています。
チャリでソロキャンプに行きたい!!
以下、関連記事もありますので、併せてご覧ください。
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