国を挙げての働き方改革が進んでいる中、各企業ではどのような対応を進めているのか気になるところです。
多く聞かれるのが予定の共有。
これまでは打合せや外出の予定くらいしか入れていなかったスケジューラをちゃんと活用せよ!というお達しが出ている企業が多いのです。
この予定を「ちゃんと入れる」ということの効果は…
- 上司が全体の業務遂行状況を確認できる
- 上司が部下の業務量を把握できる
- 同僚の業務状況を把握することで連携しやすくなる
- 個人が目標をもって行動することで仕事の効率があがる
一般的にはこんなところでしょうか。
予定を共有することで業務の流れがわかりやすくなるんです。
しかし、日々入力を行い、同僚や上司に公開しているのはあくまでも予定。
実際に予定通りに仕事ができることなんて稀じゃないですか?(笑)
予定とは未来のこと。
同僚や上司が欲しいのは正確な未来予想図。
私はエスパーではありません(笑)
そんな正確な予定を立てるために必要なのは自分の業務スピードや自分を取り巻く環境、行動パターンなどの自己分析。
ということで、今回は予定の精度を上げるための予実績管理の方法についてお話ししたいと思います。
Outlookの機能に則った仕事=欧米風の仕事
昨今、スケジュールの管理やら予定の共有に使われているのがスケジュール管理ソフトウェア。
企業によって使用しているソフトウェアは様々だと思いますが、Microsoft Officeと親和性が強いOutlookを導入している企業は少なくないと思います。
しかし、Outlookはアメリカの製品なので日本で働く人間からすれば当たり前という機能が備わっていなかったりと「使い勝手が悪い」という声が未だに聞こえてきます。
例えば、施設予約機能。
この日のこの時間に会議室を使いたいので、その範囲にバーを引くなど直感的に操作するのが日本人の当たり前。
しかしOutlookはこれが出来ない!
会議開催通知という形で、会議に参加する人と共に会議室にも開催通知メールを送ります。
なんか変ですよね?物や場所にメールを送るって(笑)
しかしこれはOutlookの世界では当たり前。というか欧米諸国ではこっちがスタンダードだそうです。
その他、特に予定表の機能にその欧米色を強く感じます。
これって逆に言えば、Outlookの機能に則って仕事をすれば、自然と欧米風の業務の進め方になり、働き方改革につながるのでは?
なんて思ったりして、昔は文句ばかり言われていたOutlookも最近ではかなり見直されています(笑)
Outlookを活用しましょう!
なんて今さら感満載なことを普通に言う上司たち…
何かしたいんでしょうね、働き方改革(笑)
予定の分類分けを行う
前段が長くなってしまいました(笑)
ようやく本題に入ります。
まずは現状の予定を入れ方に関する改善点です。
何も考えずに予定を入れていくと、打合せだろうが外出だろうがバーの色は全部同じ。
視覚的にも悪いですし、後に説明する実績管理もしづらくなります。
ということで、まずは各予定を分類項目機能を使って仕分けをするようにしましょう。
- 予定表にて予定を1つ選択します。
- [予定]-[分類]-[すべての分類項目]をクリックします。
- 「色分類項目」ダイアログが表示されますので、色を選択した上で[名前の変更]をクリックし、分類の名前を設定します。
- 足りなければ[新規作成]をクリックし、新しい色と名前を設定します。
- ショートカットキーを設定しておくことで、予定を選択して[Ctrl]+[F2~F12]を押すだけで、分類項目設定のオン・オフが行えるようになります。
分類項目の設定が完了したら、各予定にて分類項目の色を設定していきます。
設定するとこんなにカラフルです。
予定の内容まで見なくても、分類ごとの割合は視覚的にすぐわかります。
こうしておくだけでだいぶやってる感が出ますよね?(笑)
新しい予定表を追加し「実績」を管理しよう
Outlookの予定表ですが、実は複数作成することが可能です。
これをすることでどんなメリットがあるか。
それは用途ごとに違うスケジュールを管理できることです。
たくさんの手帳を持つイメージ(笑)
邪魔くさいですね!(汗)
でもOutlookならタブで管理できます。
今回は既存の予定表の他に「実績」という名前の予定表を作成し、通常の予定とは別に実績を管理できるようにします。
- 予定表にて[フォルダー]-[新しい予定表]をクリックします。
- 予定表の名前を「名前」に入力します。「フォルダーを作成する場所」は「Calendar(予定表)」のままで良いでしょう。
- 作成すると左ペインに新しい予定表の名前が表示されます。
- チェックを付けると既存の予定表と新規に追加した予定表のタイムラインが並んで表示されます。
ここで作成した実績入力用の予定表を「実績表」と呼ぶことにします。
予定表から実績表に予定を一括コピーする
実績表が出来上がったので、1日の終わりに実績を入力するよう心がけましょう。
でも、いちいち入力が面倒(汗)
続かないというのが一番良くないですよね(笑)
予定を元に仕事をしているわけですから、予定も実績もそんなに大差はないはず。
ですので、実績表は予定をベースに修正する形で作成しましょう。
極力手間を省く!
Outlookの予定はその予定のバーをドラッグ&ドロップすることでコピーすることができます。
しかしこれは1件ずつの手作業になります。
1日の終わりにそんな地味なことやってられませんよね!(笑)
ということで、一括で予定表から実績表に1日の予定をコピペしちゃいましょう。
- [表示]-[ビューの変更]-[一覧]をクリックします。
※元々のタイムライン形式のビューは「予定表」です。覚えておきましょう。 - 予定1件ごとの一覧表示になるので、当日分の予定を選択し、実績表にコピーします(Ctrl+ドラッグ もしくは コピー元でCtrl+C、コピー先でCtrl+V)
- ビューの変更にて「予定表」表示に戻すと、実績表に予定表の予定がコピーされています。
ここでコピーした予定を実績表にて修正し、実績表を仕上げます。
実績はなるべく細かく入力するようにしましょう。
また、先に説明した分類項目もより詳細に設定してことをおすすめします。
その理由は後ほどご説明します。
便利な機能(補足)
予定表と実績表はそれぞれ別なタブに表示されていますが、[表示]-[重ねて表示]をクリックすると1つのタブに区切りなくまとめることが出来ます。
今は2つの予定表しかありませんのでそれほど見栄えは変わりませんが、もっとたくさんの予定表を作成した場合や、他の同僚の予定表を並べて見たい場合に効果を発揮します。
また、スマホ用アプリ版のOutlookではこんな感じで表示されます。
十分に使えますね!

実績をExcelに落として自己分析
手順ばかりの説明で目的を見失い気味になりましたが、今回の目的は「自分の業務スピードや自分を取り巻く環境、行動パターンなどの自己分析」です。
Outlookでお疲れのところ入力した実績表。
これを存分に活かしましょう。
そんな分析を行うにはやはりExcelが向いています。
まずはExcelにOutlookの実績表を簡単に取り込む方法についてご紹介します。
準備(出力用ビューの作成)
- 実績表を一覧ビューで開いた状態で[表示]-[ビューの設定]をクリックします。
- 「ビューの詳細設定」が開くので、Excelで管理したい列の追加等を行います。
- [表示フィールドの書式設定]をクリックします。
- [開始日]を選択し、「見出し」を「yyyy/mm/dd hh:mm」形式に変更します。※これはExcelで日時を認識させるために必要な操作です。
- 同様に[終了日]も設定します。
- 列の追加や日時の表示形式が変更されていることを確認します。
- [表示]-[ビューの変更]-[現在のビューを新しいビューとして保存]をクリックします。
- 「新しいビュー名」に任意の名前を設定します。
- 新しいビューが作成されました。今後、Excelに取り込みする列の変更等はこのビューを使いましょう。
実績表をExcelに取り込む
取り込むとか大げさに書きましたが、ここまで準備ができていればあとは簡単です。
これ意外と知られていないんですよね。
Outlookは予定表だけじゃなくメールや連絡先もExcelにコピペできます。
ただ、日付形式だけデフォルトから変更してあげないと、Excel側には文字列として認識されてしまいますので、そこだけOutlookで変更しておきましょう。
Excelで自己分析
Excelまでデータが来てしまえばあとは自由!
例えば、終了日ー開始日を数式で計算して、実績毎の工数を算出したり…
その工数を分類項目ごとで集計してみたり…
(数式:=SUBTOTAL(9,範囲) フィルター:分類項目名)
他、ピボットテーブルを使ったりすれば、より高度な分析が行えるようになると思います。
分析を行う上ではやはり情報量が重要です。
できるだけ多く、できるだけ細かく。
自分が行いたい分析内容をイメージして、入力項目や詳細度を設定すれば良いでしょう。
分析で得ることができる「気づき」
このようにデータを記録・蓄積し、それを分析することで、こんなことに気づくことができます。
- 自分が何にどれくらい時間をかけていたのか(苦手分野の仕事を発見し、自己啓発)
- 周囲の影響等により自分の思う通りに仕事が捗らなかった時間はどのくらいあったのか(仕事環境の改善)
- 無駄な行動は無かったか(業務効率化)
また、このデータはこんな使い方も可能だと考えます。
- データ化されているので、工数の積算等を他部門等にアウトソーシング
- 業務分担見直しの材料
- 自己の経験の記録(転職の材料)

今回Outlookを例に挙げて説明しましたが、他のグループウェアでも同等の機能があると思います。
また、慣れたExcelで付けていくというのも良いでしょう。
これから進んでいく働き方改革。
何をどうしていいかわからない人がほとんどだと思いますが、まずはできるところから。
こまめな予定入力。細かな実績入力。
実践してみてはいかがでしょうか。
ということで、いつもはくだらない話ばかりしていますが、少し真面目な内容とさせていただきました。
たまにはこういうのも入れておかないとね(笑)
コメント
とてもわかりやす説明で手順通り行えば問題なく作業できました。
日常管理とても困っていました。エクセルに貼り付けられるのも
びっくりです。奥が深いです
他も参考にさせていただきます
参考にしていただけたようで幸いです。
使えるソフトウェアも限定された環境下で仕事するのって大変なんですよね(汗)
工夫していかなければなりません。
とてもわかりやすい内容で参考になりました。ありがとうございました。
ひとつ質問ですが、一覧にして実績をエクセルへ転記するときに
「定期的なパターン」が日々のスケジュール一覧に
表示されない時があります。何か設定すれば解決するのでしょうか。
お仕事お疲れ様です
ごめんなさい
ご質問の文面より事象の本質が読み取れません(汗
・Outlookの「定期的なパターン」列が表示されない
・Excelに貼りつけたときに「定期的なパターン」列が貼りつかない
・定期的なパターンで作成したアイテムがOutlookの一覧ビューに表示されない
・同アイテムがExcelに貼りつけできない…等々
具体例など出していただければ再現できるかもしれません
「定期的なパターン」は1アイテムで複数日の予定を表現しているので、Excel出力の際もちょっと工夫が必要かもしれません
とても分かりやすく、会社でも利用しようとしているところです。
ビューの変更で表→一覧にして、開始日(昇順)に並びなおした時に、「定期的なパターン」は初めに設定した日でのみ表示され、それ以降は表示されません。
Excelに落とし込んで分析をする際にどのような手法で定期的なパターンを計測していけばよいでしょうか。
こんばんは。
返信が遅くなり申し訳ありません。
少々、サイトの更新をサボっていたもので(汗
先の質問者の方にお答えした通り、「定期的なパターン」はOutlook上では1アイテムとして表現されます。
Outlookで予定を管理するからにはこの機能を使いたいところです。
よって、Excel側で定期的なパターンを分解してあげるのが良いと思います。
「定期的なパターン」に値があった場合は、そのパターンに基づいた「同件名で異なる開始終了日時の行」を量産するなど、マクロを駆使する必要がありますが…。